あ、山田みーっけ!
青木! ちょ、くるの早いよ!
えー。だって話があるから来いってゆったの山田じゃん。ってか山田さ、授業中に
ライン送んないでよね。てかさ、さっきの授業いなかったよね。どこ行ってたの?
授業さぼってなにしてたの…って、なに、なんで泣いてんの!
僕は!授業をさぼって、リスクヘッジしてたんだ!
え? リスクヘッジ? なにそれ。
起こるかもしれないリスクの大きさを予測して体制を備える。リスクヘッジだよ。うう。
お。おお?
僕はこれから大きなリスクをとるつもりなんだ。だから、最悪の場合を考えて、
そのショックに備えていたんだ!
それと私となんの関係があるの。
関係おおありだ!
おおあり? えっ、どうしよう!
そう、青木、君の存在は僕のリスク以外の何者でもない!
えっ、わたし何か悪いことした?
…してない!
よね、だって私たち、いい友達だもんね!
…いい友達?
親友ってやつ?
…し、しんゆう…ちょっとまて、さらなるリスクヘッジが必要になったから。
(ブツブツ) まさか親友とまで思われていた俺。友としての最高ランクじゃないか。
その信頼を裏切り孤独に落ち入る俺。最悪気持ち悪いって言われる俺。辛い。辛すぎる。うう。
は? 一体なんのリスクに備えてんの、山田!
俺は、俺は耐えられるのか、このリスクに!このリスクに!
山田! しっかりして! 私に話があるんでしょ! 大変なことなんでしょ! なんなら私も一緒に
リスクヘッジってのするから! 一人じゃ耐えられないことも、私がいれば大丈夫!
…確かに、君がいれば、大丈夫だ…。
でしょ! 一緒に乗り越えよう山田! ばっちこいリスク! さあ、言って! さあ!
…好きです。
え。
君が、好きです。
友達としてじゃなくて…?
…全部、全部ひっくるめて…!
…ず、ずるい。私もリスクヘッジする時間、欲しかった。
やっぱり・・・。
今、死にそうなんだけど。嬉しくて!
終わり。