- 響く中華街の音。
食器がカチャカチャとなり、湯気がたち、
遠くで、注文を通すための叫び声が聞こえる。
人のざわめきと活気がある。
大きくため息をついて女が喋り出す。
- 女
- おつかれ。
- 男
- おう、どうだった。
- 女
- はぁ…例のブツ、あれ、ハルマキの家で見つかったわ。
- 男
- まさか。
- 女
- そうよ。そのまさか。
- 男
- まいったな。チャーハンのやつ、きっと事を起こすぞ。
- 女
- 警戒よろしく。私はショーロンポウ発砲事件を洗い直す。
- 男
- 肉汁がやばい事になってたやつだな。
- 女
- そう、始末が大変だったのよ。蓮華から溢れて溢れて…それに…
- 男
- それに…(ゴクリ)
- 女
- ハルマキとショーロンポウのボス、ホイコーロがついにキレた。
- 男
- まずいな・・・
- 女
- おたくの島のチャーハンと、うちの島のホイコーロ。また闘争が始まるわ。
- 男
- 上は知ってるのか。
- 女
- 知ってる。でも、わかるでしょ。組織のトップはこういうの逃げたがる。
- 男
- くそう。またもや始まるのか、チャイナタウンのフードファイト。
- 女
- こうなると、厄介よ。肉汁が飛び散るだけじゃない。腹もはちきれる。
- 男
- (ゴクリ)…じつはな、チンジャオと会うことができそうなんだ。
- 女
- え。チンジャオってまさかあの
- 男
- そう、静かなるチンジャオロウスー。
- 女
- 影の帝王。
- 男
- バンバンジーとともに、チリソースを絡めて交渉中だ。
- 女
- やるじゃないの。バンバンジー。
- 男
- 過去何度か起きたフードファイトも、チンジャオの力で制圧できた。もしかするともしかする。
- 女
- 街に平和が…待って! このことは誰か知ってるの?
- 男
- 知らないはずだ。もし知れたら、あっという間に北京ダックさ。
- 女
- 最高に残酷ね…パリパリに香ばしいじゃないの。
- 男
- 奴らならやりかねないぜ。
- お腹がなる。
ここは某中華料理(王将)屋の店内。
- 店主
- へい!ビールと餃子6人前! お待ちどう様でしたー!!
- 男女
- 待ってました?!かんぱーい!
- 女
- ぷはー! 注文してからくるまでのフードコント最高ー!
- 男
- さ、食べよ、食べよ! いただきまーす!
- ビールが進み、活気付いている。
- 終わり。