- 僕
- せんせーーーい!
- 探偵
- こ、こらっ
- 僕
- せんせーーーーーい。殺人現場はこちらです!
- 探偵
- 大声を出すのはよしたまえ!
- 僕
- はい? ですから、殺人現場はこちらですーーーー!
- 探偵
- 大きな声で言うことじゃない!
- 僕
- はい?? ですから、さ
- 探偵
- こらーーーーーっっっ
- 僕
- きゃー!
- 探偵
- 君は僕の助手としての品が足りない!!
- 僕
- 品ですか?
- 探偵
- 大声でそんなこというもんじゃないだろう!
君の声はホイッスルみたいでもうほらっご覧。
もうポリスメンたちが集まってきているではないか!
- 僕
- こらーーーー!
- 探偵
- えっ
- 僕
- これは僕が一番最初にみつけた殺人現場だぞ! 君たち遠慮したまえ!
- 探偵
- き、きみ
- 僕
- じゅ・ん・ばん! はい、半径五メートルは離れてくれたまえ。
あっこらっ。引き出しは勝手にあけない!全く油断も隙もないな。
ね、先生。
- 探偵
- 品は足りぬが謎の圧がすごい。
- 僕
- おほめいただき光栄であります!
- 探偵
- 褒めてない。よし。ではポリスメンに見つめられつつ現場検証をはじめよう。
- 僕
- はい先生!
- 探偵
- 被害者はこの屋敷に住むご令嬢かよこさんだ。
- 僕
- ぼく、好きだったのにな。
- 探偵
- 私情をはさむのはよしたまえ。
- 僕
- はい先生!
- 探偵
- 死因は
- 僕
- ワイングラスがここに!
- 探偵
- 毒殺か?
- 僕
- 犯人はあいつだ!
- 探偵
- まて、仮説をたてるまえに断定してはならない。
- 僕
- はい先生!
- 探偵
- 床に散らばるゴマ。
- 僕
- ふむたびにとんでもないいい香りがします!
- 探偵
- たぶん事件に関係ない。
- 僕
- あっ、みてください。窓が割れてる!
- 探偵
- 小さいな。あれじゃ侵入できない。
- 僕
- 犯人はボールだ!
- 探偵
- それは断定してもいい。
- 僕
- 仮説! 飛びこんできたボールがゴマの瓶にあたった!
- 探偵
- なかなかの仮説だ。検証してみよう。
- 僕
- 僕が投げます!
- 探偵
- いや、いい。君のコントロールはポンコツだ。被害が拡大する。
- 僕
- なげる!なげるったらなげる!
- 探偵
- よ、よし、外に行こう。な。
- 僕
- はい先生!
- 探偵
- 現場検証終わり!
- 僕
- お疲れ様でした! よし、ポリス諸君!10数えたら、バリアをとくぞ!
- 探偵
- バ、バリア?
- 僕
- いーち、にーい、さーん(数える)
- おばあちゃん
- きょうも元気だこと。
- 探偵
- あ、お母さん。すみません。朝から。
- おばあちゃん
- ふふふふ。跡取りを育てるのも大変ねえ。
- 探偵
- ははは。血は争えません。今週は本物の事件がなくて何よりでした。
では、公園にいってまいります。カヨコ、おいカヨコ、もう起きてもいいぞ。
- 僕
- じゅー!
- 探偵
- よし、助手! 外にゆくぞ!
- 僕
- はい、先生! 次の現場は宝石強盗ですね!
- 探偵
- えっキャッチボールだろ?
- 僕
- 数をこなして質をあげたいんです!
- 探偵
- 誰だそれをいったのは。
- おばあちゃん
- わたし。
- 探偵
- おお、おかあさん!
- 僕
- ぼく! 先生みたいな名探偵になりたいんだ!
- 探偵
- 助手! うぐぐ。ようし! 次は宝石強盗だ!
- 僕
- はい、先生!
- ふたり
- いってまいります!
- おばあちゃん
- はいはい。いってらっしゃい。平和な日曜日だこと。
- おわり