サスペンス調の音楽。
そして、この中に、
クリスティアーヌ公爵夫人殺人事件の真犯人がいるのです!
人々のどよめき。
小間使いのヘンリエッタ、あなたが殺したのだ!
違います!
シャルロッテさん、かばいだてしないでください
本当に違いますの!私は、私は、シャルロッテではないのです!
なら一体誰なのですか?
実は・・・
クリスティアーヌ公爵夫人の夫であるクロード・ミシェル公爵が
弟君のフェリクス・ジャン公の許嫁であるアルベルティーヌ嬢に
密かに生ませたアルフォンシーヌと申す者なのです!
そんな、まさか!
クリスティアーヌ公爵夫人の夫であるクロード・ミシェル公爵の弟君
フェリクス・ジャン公の許嫁であるアルベルティーヌ嬢に
密かに生ませたアルフォンシーヌはもう、この世にいないはずだ!
名探偵のあなたでも欺かれていましたか・・・・
私とて、いっこの人間です。神のごとき全知全能ではない。
しかし、あなたとヘンリエッタと一体どういう関係が?
ヘンリエッタは・・・ヘンリエッタは、私の姉なのです!
人々のどよめき。
つまり、
ヘンリエッタもクリスティアーヌ公爵夫人の夫である
クロード・ミシェル公爵が弟君のフェリクス・ジャン公の許嫁である
アルベルティーヌ嬢に密かに生ませた子供だった、と・・・
ええ、そうです。本当の名前はジョセフィーヌと言います
運命とは、実に奇妙で恐ろしい
私たちは、離ればなれに暮らし、育てられました
公爵夫人はそれを知っていた?
ええ、
私たちがクリスティアーヌ公爵夫人の夫であるクロード・ミシェル公爵が
弟君のフェリクス・ジャン公の許嫁であるアルベルティーヌ嬢に
密かに生ませた姉妹だということを
分かっていたから、あなた方二人を小間使いとして、
ボロ雑巾のように酷使したのですね
公爵夫人は冷酷な人でした。父である公爵は暖かい人でしたが
母上のことは覚えていらっしゃいますか?
クリスティアーヌ公爵夫人の夫であるクロード・ミシェル公爵の弟君の
フェリクス・ジャン公の許嫁であった母も、心に暖炉をもつ人でした
あなたもその暖炉を持っていたはずだ
姉さんが公爵夫人になぶられるのを見ていられなかったんです
そして、クリスティアーヌ公爵夫人の夫であるクロード・ミシェル公爵が
弟君のフェリクス・ジャン公の許嫁であるアルベルティーヌ嬢に
密かに生ませた、あなたの姉のジョセフィーヌも、
あなたの窮地を救おうと、罪を被ろうとした
うう・・・なんてこと・・・すべては、すべては私が・・・
ガラスを突き破る音。
ああ!姉さーーん!
およしなさい!今日は潮の流れが早い!もう、助からない
ねえさん・・・・どうして・・
みなさん!公爵夫人を殺害した小間使いヘンリエッタは、
罪の意識に苛まれ、自ら死を選びました
なにをいっているの!姉さんはクリスティアーヌ公爵夫人の夫である
クロード・ミシェル公爵が弟君のフェリクス・ジャン公の許嫁である
アルベルティーヌ嬢に密かに生ませたジョセフィーヌなのよ!
あなたが世継ぎのいないこの公爵家の跡取りとなるのですよ
私が?
それが!ヘンリエッタ、いえ、クリスティアーヌ公爵夫人の夫である
クロード・ミシェル公爵が弟君のフェリクス・ジャン公の許嫁である
アルベルティーヌ嬢に密かに生ませたジョセフィーヌの、
命をかけた願いなんです!
ううー!
クリスティアーヌ公爵夫人の夫であるクロード・ミシェル公爵が
弟君のフェリクス・ジャン公の許嫁であるアルベルティーヌ嬢に
密かに生ませたジョセフィーヌ姉さーーん!
(了)