- 兄ちゃんとマリコが机の上で何かを捏ねている。
- 兄ちゃん
- 違う。こうやって。
- マリコ
- ・・・こう?
- 兄ちゃん
- いや何回も言うてうやん・・・こうや。
- マリコ
- でもそうしたら、それイチゴ牛乳やん。
- 兄ちゃん
- ちゃうって。イチゴ牛乳はここが直角。これはここ、丸こいから鯖の味噌煮。
- マリコ
- ・・・じゃあこう?
- 兄ちゃん
- そうそう。そうや。
- マリコ
- でもここを鯖の味噌煮にしたら、今度はここがとってもロマンティックな感じになうやん。
- 兄ちゃん
- うん。わかう。わかうよ。兄ちゃん、マリコの言うてうこと手に取るようにわかうよ。
- マリコ
- 何なん。その上から目線。
- 兄ちゃん
- いや懐かしいなぁ思うて。兄ちゃんにもそんな時代があったなぁ思うて。兄ちゃんもおまえぐらいの頃は、さすがにここのロマンティック具合はないなぁって思うてたよ。うん。
- マリコ
- せやろ?
- 兄ちゃん
- でも実はここはロマンティックな感じで丁度ええねんな。じゃないとここのバナナフィッシュがあからさまにピカブーになってしまうやろ。
- マリコ
- なんでぇ?これピカブーっていうよりデカメロンやん。デカメロンはギリギリセーフって先生言うてたもん。
- 兄ちゃん
- おまえ、もしかしてデカメロンとスカイフィッシュワルツ勘違いしてへんか?
- マリコ
- あ。
- 間
- 兄ちゃん
- あは!あははは!
- マリコ
- あきゃきゃきゃ!
- (以降の会話はすべて笑いながらお願いします)
- 兄ちゃん
- やるやる!デカメロンとスカイフィッシュワルツ勘違い、よくやる!!
- マリコ
- うわぁ!この勘違いめっちゃヤバイ!あは!
- 兄ちゃん
- せやろ。このヤバさ、肌で感じうやろ。あは!
- マリコ
- でもやっぱりここのロマンチックさはいただけんわ。
- 兄ちゃん
- そこでや。これを使う日がとうとうきたわけやね。
- マリコ
- それ、兄ちゃんがいつも使ってうポマードやん?
- 兄ちゃん
- うん。ほら。これをここに塗るねん・・・するとどうや?
- マリコ
- うわぁ。すっかりロマンチックがメタボリックになったお!じゅるる!
- 兄ちゃん
- おい。マリコ、ヨダレ垂れてるで。じゅるる。
- マリコ
- 兄ちゃんこそ。あはは!!じゅるる。
- 兄ちゃん
- いや垂れてへん。垂れてるのおまえや。あは!あは!あはは!
- 二人はさらにツボに入ったらしく笑い転げる。
次の日、学校。
キンコンカーンコーン。
- 先生
- というわけで、昨日、理科の時間に出した宿題、みんなできましたかー?
- 生徒たち
- はーい。
- 先生
- どんな宿題だったかなー?
- マリコ
- はい!地上に咲いてる変な花を嗅ぎながらオブジェを作る宿題です。
- 先生
- その通り。じゃあマリコの作品から。これはいったい何を表現したのかな?
- マリコ
- えっと・・・・これは・・・んっと・・・宇宙です!
- 間
- 先生
- はい。というわけで、この地上に咲いている花を嗅ぐと宇宙、見えちゃいます。
だから良い子のみんなは、絶対嗅いじゃダメだからね。
- 生徒たち
- はーい。
- 終わり。