- じりりりんと○○が鳴っている。(会話中もずっと)
- ○○
- おーい。おーい。誰もおらんけぇの?早く出てぇ。早く出てぇ。
- するとドタドタする音がしてまり子登場。
- まり子
- 誰~?
- ○○
- おーまり子。ワシやワシじゃのワシじゃけぇの。早う出てくれ。
- まり子
- あーひさしぶりねんねー!
- ○○
- おーひさしぶりねんねー!ってそうかぁ?いっつも会ってるやんけぇ。とにかく出てくれ。結構これも疲れるけーの。
- まり子
- なぁなぁウチ、昨日幼稚園でな。ヒマワリ組からコスモシュ組に変わったねん。ウチ、コスモシュ組に入れて凄い嬉しいねん。
- ○○
- なぁまり子、とりあえず出てくれんけーの?話はその後聞いたるけーの。
- まり子
- (遮って)なぁなぁなんでウチがこないに嬉しいかわかう?
- ○○
- ええ?んーそうじゃのぅ。あのそれ答えれたら、出てくれるか?ワシ、結構イラチなことで有名じゃけの。
- まり子
- うん。ようわからんけど出てあげうよ。
- ○○
- ほなったらあれや。いままで違うクラスやったおまえの友達がコスモシュ組で一緒になって嬉しいんじゃろ?どや?正解じゃ。
- まり子
- ぶっぶー!!ウチはヒマワリ組もコスモシュ組も友達はみんな一緒なことやで
ブッブー!わきゃきゃきゃきゃ
- ○○
- じゃあアレ、単純にヒマワリよりもコスモスの方がお前は好きなんじゃろ?
- まり子
- ブッブー!
- ○○
- えー!?
- まり子
- 正解はコスモシュとはお花であると同時に宇宙なのれす。だからウチはコスモシュ組におう時、気分はとってもスペーシーな感じでとっても嬉しいことなのれす。コスモシュ組とはすなわち幼稚園の宇宙スーテーションなのれす。
うきゃうきゃ。
- ○○
- なんじゃそれ。アホか。そんなんわかるわけないじゃけの。まり子。ワシも、もうそないに若ないんじゃ。ずっとこうしてるのにも限界があることじゃけぇの。ええ加減早う出てくれへんとさすがのワシも・・・
- まり子
- (遮って)なぁなぁ見て。これ見て。ブーブのうしろにいる時はこうすんねんで?オーライオーライ。ブーブオーライ。ハイ。お支払いは現金ですか?カードれすか?ガショリン満タンでつね。オッケーのことです。うきゃきゃうきゃ。
- ○○
- まり子。ええからワシの話を聞きなさい。
- まり子
- (遮って)お客さん。ブーブの中にゴミはありませんかぁ?
- ○○
- まり子!!ええ加減にせんかぁぁぁ!!!
- 間
- まり子
- うう・・・うわぁぁぁぁんんんんんん!!(と泣きだす)
- ○○
- アホかぁ泣くなぼけぇ!泣きたいのはこっちじゃけーの!早うとらんかい!おまえが出-へんせいで明日とんでもない筋肉痛これ決定のことじゃけぇの!!
- まり子
- うわーん!!お母ちゃん!!うわーん!!お母ちゃん!!
- ○○
- ええから受話器取らんかい!!
- がちゃりと受話器を取る音がする。電話の音が止む。
- 母
- もしもし。まり子かぁ?
- まり子
- うわぁぁぁん、お母ちゃん。電話が、電話がウチのこと怒ったぁぁぁ。
- 母
- ええ?あんた、電話に叱られたん?
- まり子
- うん。こいつ、めちゃんこイラチねん。うう。
- 母
- そりゃああんたが早く出-へんからやで。お母ちゃん、電話するいうたやろ?
- まり子
- お母ちゃん。ウチ、イラチちゃう新しい電話ほしい。
- 母
- アホなこと言わんとき。もうすぐ帰るしな?いい子にしてるんやで。
- まり子
- はーい。
- がちゃりと受話器を置くまり子。
- 電話
- まり子・・・さっきは怒鳴ってすまんかったの・・・せやしなんや。新しいのに変えるとかあんまり言わへんといてくれるか。ワシも生い先が短い身やし、できればここに骨を埋めたいいうか・・・
- まり子
- ・・・知らん!!
- 電話
- まり子!!ワシが、ワシがすまんかったぁ!!!
- 終わり。