夜間学校の教室
黒川先生
「えー、出席を取ります。というか、このクラスは10人しかしない夜間クラスなので、ざっと見て、オッケー!皆居ますね。」
「えー、そんな適当なー。」とか、口々に言っている。
黒川先生
「今日は皆にいい話と、悪い話を持ってきた。」
「なんだ?なんだ?」と口々に話している。
黒川先生
「悪い話からしよう。最初私黒川は、みんなにこう言いました。好きにクラブを作って好きにやってください!と。」
「言った!言った!」とか、口々に話している。
黒川先生
「そして君たちは、本当に好きにクラブを作りましたね。でもまさか先生は、10個もクラブが出来るとは思っていなかった。」
「それが?」
黒川先生
「10人10色というが、まさか…クラブ活動をそれぞれが個人個人でしていまうとは…。まあ、昼間は働きながら学校にきているすばらしい生徒達。君たちに、私黒川は任せようと思っていました。が…。」
「なになに?」と口々に話す。
黒川先生
「昨日、校長先生にこう言われました。」
昨日
校長先生
「黒川先生。クラブというものは、多人数で行うから意味があるのでしょう?なのに、10人のクラスで10個のクラブというは…。」
黒川先生
「校長先生。あの子達は家族のため、自分の生活のため、若いのに働きながら学校にも来ているのです。疲れてヘトヘトなのに。だからせめて自分たちの好きな事をさせてあげたいなと…。」
校長先生
「黒川先生。それは分かるのですが…。普通科の方のPTAの突き上げもあったりで…、その…。」
黒川先生
「はっきり言ってください、校長先生。」
校長先生
「うむ。クラブ活動資金がかかるので、ひとつに絞れないかと…。」
黒川先生
「そんな!自分たちの意志でやろうと立ち上げたクラブを、今さら駄目だとは言えません。クラブ活動資金なら、私のポケットマネーで何とかします。」
校長先生
「そう言うと、思っていたよ。でも、先生の立場でそれは出過ぎた事になるんだ。わかるよね。」
黒川先生
「はい。」
校長先生
「何か、学校の活性化につながって居るというアピールが出来ればいいのだが…。」
現在
黒川先生
「という事だ。」
「えーー!」と口々に不平不満を言う皆
黒川先生
「いい話を!」
「おおおーーー!」
黒川先生
「今朝校長にこう言いました!」
今朝
黒川先生
「校長先生!普通科のPTAとかに、アピール出来るような事があればいいのですよね!」
校長先生
「ああ、黒川先生。…そうだね。」
黒川先生
「分かりました。前私が居た学校にちょっと電話して手助けしてもらいます。」
校長先生
「な、何をするのかね?」
現在
「何?何?」
黒川先生
「そして、前居た学校からすばらし反応があり、皆さんに報告します。」
「おーーーー!」なんか盛り上がる
黒川先生
「えー、前に私が勤めていた学校は、バレーボールがとても強くて全国的に有名な学校です。そのバレーボールクラブの顧問は、わたしの大の親友。そこで、試合の申し込みしてきたのです!」
「…。」全く声が出ない。
黒川先生
「バレーボールの対抗試合です!この試合に勝って我々がいかにクラブ活動を活発にしているか。バレーボールで有名な学校に勝って、アピールしようじゃないですかー!」
「…。」
黒川先生
「あれ?反応がいまいちだけど?」
生徒1
「黒川先生。クラブは確かに10個ありますが、バレーボールのクラブがありません~。」
黒川先生
「そ、それは、それは、分かっている!しかし!やろう!」
「えーーーー!」
黒川先生の熱い気持ちを表すような曲が流れてくる!
黒川先生 「料理部の田中!君が小麦粉をこねる時のあのスナップ、バレーに使えるぞー!バドミントン部の大西、あの俊敏さはバレーに使える。
レスキュークラブの藤本、その精神はバレーにも生かされる!
サッカー部の敷田、ボールを追う事に駆けては誰よりも優れている!
ダンス部の奥田、あのステップはバレーにもってこいだ!
剣道部の小島、バレーボールに面(メンー!)ーだ!水泳部の上高原、ネット際を泳ごう!吹奏楽部の沖田、お前の応援が必要だ!えー、とにかく!やるぞ!」
何故かテンションの上がっていく生徒達。先生の熱が移ってきた。
黒川先生
「クラブの名前は決まった。熱血、夜間学校クラブ!略してヤガク!ヤガクだ!」
「おおおおおーー!やろう!やろう!」なんか盛り上がる生徒達。