- 女
- ラジオで簡単クッキング~!
- オープニングが流れ始める。
- 女
- こんばんは、筒井智子です。今日、料理を作っていただくのは、
前回、塩と砂糖を間違えた、川村先生です。よろしくお願いします
- 男
- お願いします
- 女
- 今日の料理は何でしょうか
- 男
- 今日は、愛のハンバーグです
- 女
- 愛のハンバーグ
- 男
- 筒井さん、あなたに捧げます
- 女
- え?
- 男
- では、早速始めましょう。今日は失敗しないように頑張ります。
まず、この熱したサラダ油に、玉ねぎのみじん切りを入れて炒めます
- 激しく油が飛ぶ
- 男
- あっつ!
- 女
- 先生、すごいはねてますよ。油入れすぎじゃないですか?
- 男
- 次に、挽き肉200g、あらかじめよく練ったものを用意して下さい
- 女
- コレ、油、大丈夫ですか?
- 男
- 200gというのは二人分です。ココ、ポイントですね
- 炎が上がる
- 女
- あっ!先生、火が移りました! 危ないっ!
- 男
- えー、リスナーの皆さん、大丈夫です
- 女
- いや、大丈夫じゃないでしょ!
- 男
- 何も燃えておりません
- 女
- ちょっと、あの、強がってないで、コレ、どうにかして下さい
- 男
- 挽き肉を卵に浸します
- 女
- 浸してる場合じゃないです、先生。私、消火器取って来ますっ
- 男
- では、その間にソースを作りましょう。まず、醤油大さじ1杯
- 女
- あ、ありがとうございますっ(と、消火器を受け取る)
- 男
- みりん大さじ1杯
- 女
- 先生っ、そこどいて下さいっ。消火器の粉、かかりますよっ!
- 消火器の粉が出る
- 男
- 赤ワイン4分の1カップ
- 女
- 誰も聞いてませんよ!
- 炎が消える
- 男
- ゴホっ、ゴホっ
- 女
- ゴホっ、ゴホっ…皆さん、失礼しました。火は消えました
- 男
- ソースも消えました
- 女
- はい?
- 男
- 今、どっか飛んで行きました
- 女
- あ、ごめんなさい
- 男
- えー、ソースが消えましたので、次は、挽き肉にパン粉をつけます
- 女
- すみません
- 男
- パン粉はどれですか? コレ? コレか?
- 女
- えっとー…
- 男
- ヤバイですね…全部パン粉に見える
- 女
- 消火器の粉って、結構飛ぶんですね
- 男
- えー、じゃあ、粉も飛んだということで、料理も試食に飛びましょう
- 女
- そうですね
- 男
- では、あらかじめ作っておいたハンバーグがコチラです。どうぞ
- 女
- このまま食べるんですよね?
- 男
- ソース、消えましたからね
- 女
- ほんと、ごめんなさい
- 男
- まあ、ソースは消えましたけど、あなたに対する気持ちは消えていません
- 女
- はい?
- 男
- どうやら、消火器も、愛の炎だけは消せなかったようですね
- 女
- えー、今日はどうもありがとうございました
- 男
- えっ
- エンディングが流れ始める
- 男
- 冷たいなあ。危険を冒して告白したのに
- 女
- それは、どういうことですか?
- 男
- あ、いや
- 女
- 危険を冒して?
- 男
- 今日はありがとうございました
- 女
- ひょっとして、油を入れ過ぎたのは、わざとですか?
- 男
- 今日は愛のハンバーグでした
- 女
- ソースが消えたのも!
- 男
- 明日は初恋のサラダです
- 女
- うわっ、信じらんない
- 男
- それでは、また明日、お会いしましょう
- 女
- イヤです
- 男
- イヤです…えー、皆さん、レシピがあるのって料理だけなんですねー。
それでは、ごきげんよう~
- 終