- 大学の学食。友人同士(男と女)が話をしている。
- 男
- で、似てるなーって思ったの。服とか顔とか、
- 女
- 和美でしょそれ。
- 男
- 背は低いし、話すときわざわざ相手の前に出るし。
- 女
- それ和美よ。
- 男
- え!と思ってよくみたらあいつバリ島行ってスカート買ってきたんだけど、どうもそのスカートはいてるみたいだし、青いスカート。
- 女
- もろ和美じゃん。
- 男
- サンダルもねどうもその、バリなのよ。
- 女
- だから和美よ。
- 男
- ・・・でも、信じてるから。
- 女
- いいじゃん男と歩くぐらい。そんなことで落ち込むなよ。
- 間
- 男
- ・・・、で、後ろついていったわけ、
- 女
- 最悪。
- 男
- だって俺だって知る権利があるじゃん。付き合ってるんだからさ。
- 女
- 信じてるんでしょ?
- 男
- 信じるためにもさ、知らなきゃいけないと思ったわけ。
- 女
- はいはい。
- 男
- そしたら、あいつスゲー楽しそうにしてるわけ、目とかキラキラさしてさ。
- 女
- キラキラかどうかはわかんないでしょ。
- 男
- (断言的に)いや。
- 女
- (励ますつもりで)和美はあれよ背が低いから男の人と喋るとそういう風に見えるの。
- 男
- (断言的に)あのときのあいつは輝いてた!
- 女
- なに力こめてるの。
- 間
- 男
- で、しばらくアトついてゆくと。のこのこついてくわけ。
- 女
- え?
- 男
- その男のアパートに。
- 女
- うわー。
- 男
- で、俺ビビってさ。やべ!とか思って、とっさに声かけようと思って、
- 女
- 修羅場ね。
- 男
- そう修羅場になるじゃん。もう夜だしさ、大声とかだしたらご近所迷惑だし、こっちの決め付けで間違ってたら失礼だし。あいつのこと信じてるし。
- 女
- ・・・え?
- 男
- そのまま外で待ってることにしたんだ。
- 女
- ・・・。で?
- 男
- ・・・で、三時間ぐらいして俺耐えられなくなって、
- 女
- 耐えてるよ充分。
- 男
- 和美の携帯に電話したんだ。そしたら「いま友達の部屋にいる」って、「友達って?」って聞いたら「あんたの知らない友達」っていうから、
- 女
- で?
- 男
- 「そうか」・・・。
- 女
- え?電話切ったの?
- 男
- でまた三時間ぐらいして、
- 女
- あんたね。いったいどうしたいの?和美のこと好きなんでしょ?
- 男
- 当たり前だろ!
- 女
- じゃぁなんで踏み込まないのよ?
- 男
- 俺は、・・・信じてるから。
- 女
- 何を!
- 間
- 女
- まぁいいわ。怒るだけ感情の無駄かもしれん。
- 男
- アイス食うか?
- 女
- いらん!で、なに?いったい何を相談したいの!
- 男
- 見てしまった俺が悪いと思うんだよ。
- 女
- 何で!
- 男
- 怒るなよ。
- 女
- あんたが怒らしてるんでしょ!
- 男
- 何でお前が怒るんだよ。
- 女
- あんたいったい何をどうしたいのよ?
- 男
- だからそれを相談してるんだろ!
- 女
- あんたね!もしか私が何かに変身できたらここで変身してあんたを食い殺してるわよ!
- 男
- だからなんでお前が怒るんだよ。
- 女
- 別れればいいじゃない、あの子浮気してんのよ、もしくはあんたが遊ばれてるかどっちかなの、それだけの話。
はい別れる。
- 男
- ・・・俺のことはなんて言われてもいいよ。でも和美のことをそんな風に言うなよ!
- 女
- ・・・(絶句して)アイター。